江東区、江戸川区西葛西・葛西及び東西線沿線エリアで国私立中学受験ご希望の方へBlog内容です!!
明利学舎では、”本物の個別指導” を掲げています。
本物の個別指導とは、生徒対講師が1:1のことではありません。
そのお子様の潜在能力が120%発揮できるような指導を云います。
今回のブログは前回に引き続き、今年度(H27年度)入試の結果からAさんの例を分析していきます。
なぜゼロパーセントから合格できたのか その2
分かる! それが原動力に
Aさんは某大手集団指導塾からの転塾生でした。5年生の夏期講習が終わって1ヶ月以上経った9月末の入塾です。
授業初回は10月1日でした。
その数日後(10月5日)、学年担当講師陣がAさんのご両親と初めて面談しました(入塾時は塾長のみが窓口となりますので、現場講師が親御様と面談するのは入塾後となります)。
その入塾直後の面談記録にこうあります。ご両親(主に父親)の発言です。
- 前の塾と随分ちがう。宿題もすぐに取り組み始める。
- 今日勉強したことを父親に報告してくれるようになった。
- ”わかる!” と言ってくれるのが良かった。
- ”授業わかる、すぐに教えてもらえる” といっている。
- 友達ができた、といって喜んでいる。
こうしたことがあり、ご両親の感触として、
前向きになってくれたと思う。現在のところ転塾して正解だったと感じている。
と述べていただきました。
その後の面談でも、「娘が ”(授業が)わかるんだ、わかるんだ” と言って前向きに取り組んでくれている」ことを伝えてもらえました。
(もちろん、入試が終わった後、第一志望に合格を得たこともあり転塾が正解だったと喜んでいだだけました)。
授業中の本人の様子をみても、ご両親からご家庭での様子を伺っても、
彼女にとって ”わかる!” ”できる!” 経験がモチベーション駆動に一役買ったのはま
ちがいありません。
模試の結果に挫折しなかった理由の一端はこんなところ、つまり普段の授業にあったのです。
Aさんは、ご両親に拠れば学校では控えめだそうです。そうしたお子様が、塾では目を輝かしていきいきと学習してくれる。
そういう姿を目の当たりにすることは、個人的に講師の醍醐味だと感じます。
わたしにとっては、合格の報と同じぐらいうれしいものです。
”授業がわからない” はありふれた光景
中学受験の科目、とくに算数理科といった理系科目は、(模試などの)成績がよいわるい以前に、授
業がわからない、教えてもらった問題が解けない、解説を見てもわからない、などの状態に陥っていることがよくあります。
いまこの瞬間にも、”息子/娘がどうも塾の勉強についていけてないようだ” と感じている親御様はたくさんいらっしゃるでしょう。
現に、明利学舎に転塾してくる生徒(ほとんど大手集団指導塾からです)は、例外なく基本的なことが理解できていません(塾での授業についていけたら転塾もあまり考えないでしょうから当然かもしれませんが)。
授業が理解できずに、成績がいいもわるいもありません。
マス教育のようなものでは、授業がわからないというのはごく普通のありふれた光景なのです。
高校生や浪人生の評価に曝され、講師の個人名が取りざたされる大学受験の人気予備校講師の授業みたいにはいかないのです。
”わかっているかわかってないか” がわからない
上述の”授業がわからない” はありふれたものですが、”わかっているかわかってないか” がわからない、というお子様もたくさんい
ます。これも中学受験の難度と範囲、それに”一斉の板書授業”というスタイルを考えたら必ず一定割合(おそらく皆様が思っている以上
の割合)で存在します。わたしの経験では、基礎的なことを ”ホントに理解できている” 状態まですんなりいくのは、一部のお子様た
ちだけです。
個別指導では、わかる授業は展開し易い
授 業を理解させるという点で、集団指導に比べると個別指導は有利です(当然不利な面もありますが)。その点、明利学舎が個別指導なのは現場講師としてありが たいと思っています。一斉の板書授業だけではとりこぼれてしまう生徒さんに有効なアプローチを繰り出すことができるからです。
Aさんの場合、集団授業塾での ”いくら頑張って考えてもわからない” 状態から、個別指導に移って授業がわかる、いままで解けなかった問題が解ける経験が、彼女を前向きにさせたのは間違いありません。
誤 解なきように申し添えますと、一般にイメージされる個別指導と違って、明利学舎では手取り足取り教えているわけではありません。
それではなかなか実力はつ きませんし、面白くありませんし、頑張ろうという気が養われません。必要に応じて、
詳しい解説(敢えて ”圧倒的に詳しい” 、と言っておきましょう)はします が、必要なら一つの問題に相当な時間をかけたりもします。
ちなみに、算数マニアといいますか算数大好き少年少女のなかには、1題を何時間 で も徹底して考える小学生もいます(もちろん授業
中ではありませんが)。また、実際にお会いしたことはありませんが、超難関校向けにそうした指導をされる個人 塾の先生もいる(た)
ようです。1問か2問宿題を課して、家で徹底的に考えさせて、数日後塾ではその解説をするスタイルです。
合格力をつけるには
さて、このように、”わかる!”、”解ける!” という彼女の喜びが頑張りを支えたのは間違いありませんが、それは志望校群を中心としたレベルの問題が解けることでより一層実効性を持つこととなりました。
どういうことかといいますと、たとえば、上位校以上向けの高度な問題が ”わかった” からといって、偏差値的な意味での中位校の合格にはまったく関係ないのです。
四 谷大塚のテキスト(予習シリーズ)には、小5上巻に ”第14回 数に関する問題” というのが載っていますが、理解しマスターするのに大変な時間がかか る上に、そもそも中位校以下では求められません。万が一出題されたとしても、合否には関係ないのです。
といいますか、難度の高すぎる問題を本番でアタック しているようでは、合格は遠のくのです(このあたりは誤解を招きかねませんので、後日詳述する予定です)。
とくに首都圏模試で50台前半(志望校の偏差値です。お子さまの模試の偏差値ではありません。このちがいは重要です)までの受験者にとっては、より基礎的な単元の理解と習熟が合否の鍵を握ります。
より基礎的な単元とは、代表的なのは割合をもとにした問題、たとえば食塩水や売買算などですが、むしろ割合そのものの理解と習熟が大変重要です。さらに、周期の利用(といいますか周期の感覚)、速さの問題、またそうした問題種別とは別に、面積図や線分図、ダイヤグラムや情景図といっ受験算数に特徴的な整理の仕方と使い方の習熟、などです。
こうしたものだけでも、本質を理解し、自在に使えるようになるためには大変な努力と訓練が必要になります。
四谷大塚のテキスト(予習シリーズ)に載っているからといって、”素因数分解で約数の個数を求める” というような上位校向けの単元を学習するのは(多くの場合)その子のためになりません。
さ て、こんなことを書きますと、理想主義的な親御様、あるいはまだ中学受験の渦の中に飛び込まれていない低学年の親御様の中には、
”はじめから難しい問題を 逃げてどうするのだ。そんな性根はケシカラン。合格ばかり考えるのではなく、より高みを目指す気概を涵養するためにも、学習すべき単元を間引くなんてのは 許せない。うちの子には難しい問題にもチャンレンジさせる!”
との感想をお持ちの方もいるかもしれません。
お気持ちはよく理解できます。そして、実際、難しい問題に目を輝かせるお子様もとても多くいます。中学受験生ならそうでありたいとわたしも思います。ですから歯ごたえのある問題にチャレンジすることを否定しているのではありません。
今日のところは、お子様の合格力をつけるには学習の優先順序があるとの指摘にとどめておき(そしてそれは大手塾のカリキュラムとは相当異なってきます)、その理由や必要性や具体例は、このブログの連載全体をとおして、少しづつご理解願うこととといたします。
最後にAさんの入塾時の授業を、少し述べておきましょう。
中学受験大手の四谷大塚のカリキュラムとどれだけ乖離していたかに注目です。
一年以上のビハインドを取り返す、その第一歩
Aさんの初めての授業は(算数では)、”つるかめ算” からでした。
いま当時の授業記録(小5、10月1日の授業初日)を見返してみると、
つるかめ算 小4上
ノートまとめ
例題1・・・×
となっています(笑)。
どんなにやる気があっても、一を聞いて十を知るというわけにはいかず、つるかめ算を初めて学習するお子様とほぼ同じレベルの授業をしていきました。
ちなみに、四谷大塚の現在のカリキュラムでは、小4の上巻(学校学年の小4の夏までに終える教材)に位置づけられています。
Aさんは5年生の10月につるかめ算を学習し直すのですから、単純に考えると1年以上のビハインドとなります。
こうしたことすべてが、期限の決まっている入試に対しどのような意味をもっているのか、合格に真に必要なことは何なのか、前向きに学習できるには何が必要なのか、などについて次回以降さらにお伝えしていきます。
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