青山学院中等部の例
何事によらず鍵概念を理解することは大切です。
算数でも同様ですが、多くの受験生はそういう指導(鍵概念を基礎から積み上げる指導)を受けて いないと感じています。
集団指導塾から明利学舎に転塾してくるお子様は、成績の良し悪しにかかわらず、全員流れ作業的なマス教育(教育といえるのかはさて おき)を受けている印象です。
さて、いまわたしの目の前に、2012年度青山学院中等部の入試問題が開かれています(「2013年度受験用 中学入試問題集 算数編」みくに出版)。(やや古い年度の問題ですが、たまたま教室にあったものを取り上げてみます)
(目の前の)1頁に大問9題が掲載されてますが、うち3問が計算問題、残り6問は比較的解き易い文章問題です。
ざっと見て目を引くのは、この6問のうちに同じ単元に入る問題が2問あることです。
問5
4つの数 1/2、ア、2/3、イ があります。ア は1/2と2/3の平均で、2/3はアとイの平均になっています。
このときイは ( ) です。
問7
次のような長方形をした部屋A,B,Cがあります。
Aはたて8m,横5m, Bはたて6m,横10m,Cはたて12m,横10mで、それぞれの部屋には、Aには15人、Bに30人、Cに32人入っています。
全員が集まって、この3つの部屋のこみ具合を同じにするために入りなおすと、Aは( )人、Bは( )人、Cは( )人になります。
この2問はどちらも ”平均” の理解と習熟が問われます。
平均は、小学校で学習する算数のなかでも、割合・比・速さなどに匹敵するかそれに次ぐ重要な概念です。
たとえば、中学受験頻出の濃度の問題も、平均(と割合)の理解が土台になります。
さらに、速さの問題でも出てきます。
このように、算数を単元名で区切って捉えると、割合・平均・濃度・速さは、問題を解くときにお互いがお互いを必要とする重要概念だといえます。
ですから、こうした鍵概念については、理解の根底まで掘り下げて学習することが有効です。
逆にいうと、ここが曖昧なままだと、その浅い理解がお互いに影響しあって、ダメージが広がってしまいます。
そうはならないように、こうした単元については、文字通り基礎の基礎から理解を積み上げていくことが必要になります。
そして、そうした理解を手助けしてくれるのが面積図です(ただし上掲問2はやや異なる)。
割合も平均も濃度も速さもすべて面積図で理解することができ、かつ有効です。
さらに、比例・反比例も面積図で理解することが有効です。
有効です、というのは、各々の概念の理解を深め実際に問題を解くのに役立つ、という意味です。
ちなみに、上記青山学院中等部の同じ年度のほかの問題(問13)も、速さ、反比例、面積図(速さのつるかめ算)などを必要とする、典型的な中学入試の問題です。
この記事へのコメントはありません。