江東区、江戸川区西葛西・葛西及び東西線沿線エリアで国私立中学受験ご希望の方へBlog内容です!!
明利学舎では、”本物の個別指導” を掲げています。
本物の個別指導とは、生徒対講師が1:1のことではありません。
そのお子様の潜在能力が120%発揮できるような指導を云います。
今回のブログは前回に引き続き、今年度(H27年度)入試の結果からAさんの例を分析していきます。
今年度入試(H27)で見事偏差値37から逆転合格を勝ち取ったAさんの事例の続きです(前回)。
偏差値37というのは、小6時全6回の平均です(4科)。
模試会社(首都圏模試)が提供する偏差値表も、小6時の平均に基づいて算出されています。
したがって、模試会社が示す合格可能性なども、そうしたデータが基になっています。
さて、 Aさんが受験した年(H27年度入試)の参考になるのはその前年度のデータです。このブログを書くために、一昨年(H26年度)
の首都圏模試の受験結果データを改めて見ますと、偏差値40未満の合格者は極めて少ないです。
跡見学園は3回入試がありましたが、全回通じて偏差値40未満の合格率は9.6%です。下図。
偏差値37以下(37含む)の合格者(左図)は、文字通り1人もいません(全回通じてゼロ)。
そういう意味で、予想グラフの合格可能性ゼロパーセントは真実です。
なぜゼロパーセントから合格できたのか
受験しなければ合格もありません。
当然のように思えますが、模試の結果の表面だけをみて第一志望を諦めてしまう方もいるのです。ましてや、Aさんの場合、模試の結
果では合格可能性ゼロパーセントという、親も子も諦めて不思議ない結果です。
ここで諦めなかったことが、第一志望逆転合格の最初のポイントです。
ですが、なぜ、頑張れたのでしょう?
なぜ、諦めずに挑戦できたのでしょう?
まず、模試の見方について、なぜ跡見受験を止めなかったのか塾側の要因を述べましょう。
模試には模試の見方があります。
模試の実績データは、入試終了後、合格不合格の実績を各塾が模試会社に送付し、それをもとに模試会社が集計したものです。
それは、いってみれば ”小6時の4科の平均偏差値が○○だったお子さんは、△△中学に□□の割合で合格していますよ”、ということ
で、それ以上でもそれ以下でもありません。
こういうものを冷静に見てみれば、合格可能性云々もただそれだけのものです。
もちろん、データはデータとして最大限尊重します。
むしろ、結果を ”底までしゃぶり尽くす” といってよいです。
とくに中学受験の場合、大学受験と比べたら模試の精度は高いと思われます。
大学受験のように全国区でなく、首都圏なら首都圏、それも東京なら東京や神奈川、千葉にほぼ限定されるなど、受験者の範囲が限定されますし、受験科目も固定した4科(算国理社)で、大学受験のような社会や理科のなかでの選択はほぼ皆無だからです。
しかし、問題は、模試の精度ではないのです。
結果の見方なのです。
わたしたちは、模試の結果を ”底までしゃぶり尽くす” ことで、 偏差値や合格可能性を、その数値の意味どおり、過剰な思い入れな
く、あるがままに見ています。
明利学舎の模試活用
明利学舎では、模試は 「弱点発見 –> 補強」のための道具です(とくに算数)。
志望校の篩い分けの基準ではなく、合格力を鍛えるためのツールです。
左図は、明利学舎に保管してある模試の問題用紙の抜粋です(Aさんが6年時のもの)。
ごらんのように模試の受験者全体の正答率と誤答したお子様の名前(ここでは修正テープで消してあります)をすべて書き込み、一人一人の弱点補強に役立てています。
明利学舎では、5年生から毎回このような分析を行っています。
それは、模試の結果をよくするためではなく、AさんならAさん、BくんならBくん、それぞれの志望校や現状の実力に合わせた合格力を身につけていくためです。
ちなみに、上図の場合、(4)を誤答したお子さん(Aさんとは別人)は旅人算(問題パターンの名前です)の未習熟が露になりました。
よってそのお子さんには旅人算の補強に時間を使いました。同じ誤答でも、人により、また同じ人でも誤答する時期により、”深刻度” は変化します。
上図(2014年 第4回。Aさんが小6時)のときは、ものすごくざっくりいうと、上記(4)以外の誤答は、深刻度の浅いものでした。
参考までに、(3)(5)の受験者全体の正答率はそれぞれ、72.8%,79.1%です。
書き込みがないのは、明利学舎の塾生は全員正答だったからです。
左図は同じ回の次の大問で、結果はごらんのとおりです。(1)を落としいるお子さんがいるのが痛いですが、(2)(3)は正答して
おり、ウッカリミスか何かだったように記憶しています。(2)の誤答は、小6の9月入塾(転塾してきました)のお子さんです。
ちなみに(3)の受験者全体正答率は63.0%で、明利学舎の受験生は全員正答しています。
ここまでで、Aさんに大きな穴は見当たりませんでした。
このように、模試も、偏差値や合格可能性やらだけをみるのではなく、そのお子さまのその時点での、単元ごと、問題種別ごとの習熟度合いや志望校レベルなどを総合的に勘案して、優先順位をつけて弱点補強に取り組んでいます。
こうすることにより、そのお子さまの、合格可能性を肌感覚で感じることができるのです。
Aさんの場合、もちろん跡見学園合格を確信していたわけではありませんが、
”ひょっとすると合格の可能性はあるかもしれない。少なくてもゼロではない” との感触は得ていました。
Aさんには、跡見学園とほぼ同じ強さで希望する別の学校がありました。
その学校と跡見学園、それに併願校、この3校で受験の組み合わせをシュミレーションしていたのですが、
跡見学園の合格は無理です、とは一度も申し上げませんでした。ひじょうに難しいが、可能性はゼロではない、と申し上げ続けました。
一見、模試の結果と反する物言いと思えますが、模試の結果の意味と問題ごとの分析、それに授業での出来具合などを考え合わせると、
決して模試の結果に反するものではないのです。
大学受験も中学受験も専門家の見方は共通
以前、研修で聞いたことばで印象に残っているものがあります。関西の大学受験専門塾の塾長さんのお話に出てきた、
”(模試の偏差値など)その数値、君の何を測っているの?”
というものです。
表面的な数値をとりあげて、機械的な判定を下すのはその数値の意味を正確に把握していないからじゃないの? とのお話でした。
模試の結果(数値)を機械的に適用して合格可能性が云々というのは雑すぎる、ということだとわたしは理解しています。大学受験と中
学受験と土俵は違えど、ギリギリのところで受験生を合格に導くという職に就いている人間として、腑に落ちることばでした。
(この項続く)
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