中学受験の歴史の出題難度を見ますと、偏差値に応じて 「難しく」 なるわけではない、 という特色があります。 要するに、トップ校でも、 歴史の問題に難問はほとんど出さない中学がある一方で、 偏差値が50台後半のいわゆる中堅校であっても、 歴史の学習にかなり時間を割かなければならない中学もある、 ということです。
特に小学6年生は、 受験当日までの時間を有効に使うためには、 過去問の分析を通して、 歴史の出題のレベルに合わせた学習を組み立てていくことが必要です。 もちろん、これは理科にも必要であることは、言うまでもありません。
歴史の好きなお子さんは多いですが、 好きな時代や人物については驚く程詳しくても、全体を通じてとなると、 あやふやな所が目立つことが少なくありません。
私が歴史の授業を行う時に気をつけていることがあります。
時代の流れの概観を 「理解」 させる、 あるいは、 「憶えさせて」 から初めて歴史用語を憶えさせる方法をとっています。
簡単に申しますと、テキストや参考書では伝わってこない時代や人物、出来事のプロフィール(トリビアと言えばお分かりいただけると思います) を生徒たちに話してきかせます。 ここでの注意点は、 詳しすぎても飽きてしまうということです。 「なぜなんだろう?」 という疑問が次々と湧き出す微妙な 「説明量」 が確かに存在します。 生徒たちの様子を観察しつつ説明を続けますと、 生徒たちが目を輝かせて面白がる瞬間 (発火点)があり、私は質問攻めにされるという仕組みです。 興味が湧き上がってくるのでしょう。 そのため、一つ一つの用語が頭に入りやすい状態になります。 それが狙いです。
憶えなければならない歴史用語があまりに多いですし、また、時間もないという中学受験生への授業では 「何はともあれ、記憶しなさい」 ということになってしまいがちなのですが、 弊害も多くなります。 つまり、 かえって頭に残りにくく、 復習に膨大な時間を要する傾向がある、 ということです。
ほとんどの小5生は、 歴史事項がなかなか頭に入りません。 普通に丁寧に説明しても、 すぐに忘れます。 それをいかにして効率よく憶えさせ、 記憶を定着させるか、 ということは永遠(?)のテーマでしょう。 講師の工夫や力量が試されるところです。
しかし、 一つ言えることがあります。 歴史用語は忘れやすいですが、 時代の背景は、一度憶えると比較的忘れにくいということです。 その理由は、 「原因と結果」 あるいは、因果関係をよく説明し、 「納得」 した上で、 憶えてもらうためです。 原因がはっきりしていると、 ただ言葉の羅列だけで、 よく分からないまま暗記するのとは違い、 格段に理解が深まります。 そのため記憶に残る確率が大幅にアップします。 さらには、 記憶が薄れても、 キーワードを一つでも耳にすると、 思い出すことが容易になります。 面白いという感動が原動力となり、四谷の模試で社会が2位になり、実際に受験した中学の社会で満点をとった生徒もいました。
次回は、飛鳥時代を例にとって、具体的なお話しを申し上げます。
さて、前回のブログのトップに掲げた人物の名を申し上げます。
藤原不比等です。 大宝律令の選定に関わり、 後の時代の摂関政治の基礎を築いたことで有名ですね。
この方については、次回少し触れたいと思います。
では、今回のトップに掲げた人物は誰でしょうか。 大宰府に左遷された人物です。
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