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効果的な勉強方法を身につけよう! ⑭~これが「究極の勉強法」かも…
「理科と社会の宿題ですが、半分ぐらいに減らしていただけますか?」
もう、すいぶん前のことですが、Sさんのお母さんと面談したとき、とつぜん、そう言われました。
理由をたずねると、次のようにおっしゃいました。
「うちの子は、覚えることがなかなかできないので、塾で習った内容の『授業』を、親の前でやってもらうことにしたんです。
1メートル四方ぐらいのホワイトボードを買いまして、それを壁にはりつけたんですよ。そこで、私を生徒にして、へたくそな授業をしてもらうんです。」
お母さんは、冗談まじりのような口調でした。
それを聞いた私は、理にかなっているな、と直感しました。
勉強したことを覚えるためには、授業を聞いてインプット(記憶=入力)し、問題を解くことによりアウトプット(想起=出力)すること、これは基本です。
問題を解くことは、記憶を定着させ、理解を深めることに非常に役立つことは確かです。
しかし、理解や記憶がきわめて中途半端だと、練習問題によるアウトプットも功を奏しない場合があります。
それに対して、へたくそな授業をするにしても、まず、人に教えるためには、その内容をじゅうぶんに理解する必要にせまられます。
さらに、話す内容を、人が聞いて分かるように組み立てなければなりません。
理解し、頭の中で組み立てるということが、まさに勉強の本質をつかむことになり、声に出して『授業』をするということ自体が、記憶をさらに強固にします。
また、自分が『授業』をしなければならない、という前提で塾の授業を受けますから、先生の話を聞く姿勢も自然と変わるものだと思います。
人に教えることで、教える内容を逆に自分のものにする。
これは、ひょっとしたら、究極の勉強法かもしれませんね。
残念ながらSさんは、面談をした2ヶ月後、父親の都合で遠くに引っ越してしまいました。
その後、連絡はありませんでしたが、その『授業』が入試まで続いていたとしたら、きっとそれなりの結果が出たのではないかな、と今でも思います。
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