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塾側からみた「転塾」(3)
授業が未消化な場合
明利学舎への途中入塾のケースを振り返ってみると、授業の理解を通して前向きになることがとても多いです。
転塾前までは良くてあやふや、多くの場合まったく理解できていない概念や技法をしっかりと身につけていくことで、自信もついてきます。
そして、個人的にはこれが一番価値があると思うのですが、算数の本当の姿と向き合えることが、生徒の心にプラスに作用していきます。
このように、成績不振(と感じられる)の原因が授業の未消化にある場合、個別指導への転塾は有効で有り得ます。
とりあえず授業にはついて行ける場合
一方、成績が不振とまで云えないが伸び悩んでいる、あるいは、成績は悪くはないが、このままで志望校に受かるか不安、という方は、まず、現在の担任に相談されるとよいでしょう。その際のポイントは、
”塾側の現状認識に納得出来るか否か” です。
親御様が ”成績が伸び悩んでいる” と感じるのとは別の現状認識を塾側講師側は持っているかもしれません。
ですから、現在順調な学習軌道に乗っているのか否か塾側の認識を確認してみましょう。
どうせ ”順調に進んでいる” ”このまま進めていけば大丈夫”、と云われるのがオチと思わずに、講師側の認識と分析をまずは訊いてみることです。
その際、模試や校内テストの結果から得られる偏差値というマクロな視点とは別に、ミクロな視点でお子様の状態診断もしてもらえると一層真実に近い現状認識ができます。
ミクロな視点とは、個々の単元・問題の理解と習熟具合や、苦手分野得意分野、志望校合格に向けての強化ポイントなど、です。
第一志望校は、多くの場合、80%合格ラインの偏差値に達していないことが普通ですから、つまり逆にいうと、80%偏差値に届いていなくても合格は狙えるのが普通ですから、それを踏まえて、偏差値が足りてる/足りてない 以上の分析と見通しを訊ねてみるとよいでしょう。
講師が本音で話していると感じるか否かも含めて納得が行けば良し、もし納得が行かないようでしたら別手段を考えるわけですが、それは転塾だけとは限りません。
そうした場合の手段としては、主に3つ考えられます。
1)家庭教師を雇う。
授業が理解できていて、問題練習もきちんとこなし、(お子様が)先生への信頼を持っており、成績も悪くない、しかし、親としてはいま以上の成績(偏差値)が取れるはずだとの観念がどうしても拭えない場合、いまの塾は続けたまま家庭教師を雇う手があります。
家庭教師といっても大学生などではなく、プロ家庭教師のことですが、転塾より(お金はかかりますが)現実的です。
いまの塾をやめなくても済みますし、集団塾では期待できない細かいサポートも期待できるからです。
2)親が指導に入る。
以下の3つの条件が揃うとやり易くなります。
a)専業主婦など、比較的自由な時間が取れる。
b)自身も中学受験の経験者である。
c)自身も改めて勉強し直す気力とやる気がある。
加えて、お子様との関係が良好に保たれる、という必要条件が揃えば、良い結果が生まれやすくなるでしょう。
わたしのかかりつけの歯医者さんは、息子さんを塾に一切通わせず、奥様がすべて勉強を取り仕切って渋谷学園幕張中学(千葉の超難関校)に合格させたとのことです。塾に行かせなかったのは長時間の拘束を嫌ったため(何かスポーツなどの習い事も続けていた)だそうです。
その他、集団指導塾の場合、親御さま(若しくは家庭教師)がサポートに入る例は多いです。
ご自身が当事者になれば、目標に向けて頑張るというプラスの方向に気持ちが向かい易いので、得体の知れない不安は軽減されます。
3)(最後に)転塾。
授業も宿題も先生との関係もすべてうまくいっていて、成績もそれ程悪くないにもかかわらず親御様は不安、塾側の説明を聞いても納得できない場合、かつ、上記二手段が難しい場合、転塾も視野に入ります。
ただ、上掲の手段の中では一番不透明感があります。とくに、大手集団塾->別の大手集団塾 は、同じことの繰り返しも覚悟しないといけません。
教室のシステムや雰囲気、講師などに納得できたら別の大手集団指導塾への転塾もありでしょうが、集団指導塾で満足出来なかった親御さまに納得していただけるサポート体制が引けるのは、集団塾でも小規模なところか、(中学受験指導をウリにしている)個別指導塾でしょう。
以上、3つの手段を記しましたが、一番良いのはいまの塾の先生が信頼できて、説明にも納得でき、お子様を信じることができることです。
自分の子どもを信じることは出来るが、(成績は悪くなくても)いまの塾ではどうも合ってないだ、と感じる場合、そして塾側の説明を聞いても納得できない場合は上記3つの手段を上から順に検討してみるのがよいでしょう。
いまの塾の授業が理解できているのか(親には)判断不可能な場合
これは、多くの場合、理解・習熟の積み残しがある、とあたりをつけて考え進めたがいいでしょう。
転塾を考えるご家庭・お子様のほとんどのケースは、結局、授業の積み残しが原因で(とくに算数)、分かっているのだか分かってないのだかすら分からないレベルまで傷が進んでいる場合が多いのです。
算数の修復は鍵概念の理解へ戻るのがスジ
そうした場合、本来であれば、理解不足の単元まで戻って学習すべきです。
算数は積み重ねといいますか、ある(一つの)概念がほかの(複数の単元の)問題を解くときに必要になることが多いですから、ただ、クラスのレベルを下げるではなく、思い切って鍵になる重要概念の(一定の)理解と(一定の)習熟に時間を使うべきです。
たとえば、旅人算の基本がわかってないと、旅人関連の問題すべてに影響してきます。通過算、時計算、流水算(エスカレーターや動く歩道の問題含む)、(2個以上の)動点の問題、仕事算、ニュートン算、水槽のグラフの問題などがそうです。
もちろん、旅人算の理解と習熟のためには、速さの基本が欠かせません。速さの基本とは、3用法や、面積図での理解、ダイヤグラム、単位の意味と変換などです。
また、”速さ”の概念をしっかり把握し、思考を自在に展開するためには、”1あたり量”(速さも、たとえば時速60kmなどのように、1あたり量と考えることができます)の捉え方に慣れている必要があります。
そして、1あたり量とは、速さだけでなく算数全般で必要になってくる大事な概念です。これは ”割り算の意味” にまで遡ることが出来ます。
ちなみに、”割り算” の意味と使い方というのは、中学生では1次関数の傾きや2次関数の変化の割合に、高校生では微分につながっていきます。
小学生にとって、大人にとっては当然の概念(速さ、割合など)を自分のものとできるか否かが、大きな壁となっていることが少なくないのです。
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