明利学舎の算数その1 ~本物の頭を育てるノート指導とは~

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 中学受験算数の特徴 その1

中学受験の4教科(算国理社)で、” 特殊度 ” が最も高いのが算数です小学校の算数とは別教科といってよいです。

これは、一部の親御様はお気づきになっていますし、受験情報収集に熱心な奥様方の間では常識かもしれませんが、
これから(複数回に渡って)明利学舎の算数指導について述べていくにあたって、事前に多少指摘しておくべきでしょう。

小学校の算数と中学受験の算数を比べると、難度も範囲もあまりに違いすぎて(ほとんど別教科ですからね)、
”難しいのね”の一言で終わってしまいがちです。しかし、それでは受験算数らしさが伝わりにくいですので、
ブログ初回の今回は、難度や範囲だけでないもっと本質的な相違をお伝えいたします。

まずは、”自分で調べてみる” 問題の系列があります。
これは、”式を立てて、足したり引いたり掛けたり割ったりすると答えが出る” といった学校算数とは対極にあります

自分で調べてみるとは、具体的には、書き出してみる、(書き出して)規則を見つけてみる、場合分けしながら調べてみる、などです。

例として、今年度(H27年度)入試から挙げましょう。明治大学付属明治中学(首都圏模試の今年度結果偏差値 女子70)
)の問題です。(言い回しはごく一部変えています)。

1,2,3の3種類の数字をそれぞれ2つずつ使って6けたの整数をつくり、次のように小さい数から順番に並べました。
112233,112323,112332, ……

初めから数えて40番目の整数を求めなさい。

算数は一般に複数の解法がありますが、この問題の場合、”場合分けしながら調べていく” が正当な道筋です。
計算で出そうと思ってあれこれ考え始めたら、(多くの受験生は)負けです。
講師に縁り生徒に縁り解法の詳細は異なるでしょうが、大筋は同じです。即ち、”場合分けしながら調べる”。。。。

この問題は、大問1の(4)に配置されており、決して易しくはありませんが、
算数を得意科目にしている受験生にとっては取りこぼしができないレベルです。

このブログをお読みの親御さまも、是非挑戦してみて下さい。答えは、この記事の最後に載せておきます。
もちろん、算数の問題なんて見るのもイヤ、という方は見なかったことにして(笑)、
”式を立てて計算させる学校算数とは何かが違う”と感じてもらえれば大丈夫です。

 

学校算数からの脱却が第一歩

まだ駆け出しのころ、学校算数にどっぷり浸かっているお子様の ”式を立てて計算する” フレームの根強さに驚かされました。質問も、”何算(足し算とか割り算とか)で解けるの?” といった問題の本質に迫ろうとしない、安易な(敢えていえば怠惰な)ものが出てきます。(誤解のないように補足しますと、式を立てて解く、というフレームを全否定しているわけではありません。そんなことできるはずありませんね)。

もちろんこうした発想のままでは受験算数を自分のものにすることはできません。物事を正確に考え進めていく、といったある意味受験勉強以上に大切な姿勢も養われません。

明利学舎では、4年生から、そして受験勉強が本格的にスタートする5年生からはより一層、問題文の読み解き、整理の重要性を年度冒頭から指導しています(具体的なことは追々お伝えいたします)。いまでは学校算数のフレームに基づく質問は文字通り皆無になっています。

このブログタイトルの ”ノート指導” は、正しく考え進めることができる本物の頭脳を育てる明利学舎の指導の一環で、徐々にお伝えしたいと思っています。下の画像は、生徒の ”まとめノート” の一部です。(明利学舎では、”まとめノート”と”計算ノート”は分けて使っています)。

 

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受験当日のある光景

さて、さきの問題を例に挙げたのは「典型的な調べる問題」で例として相応しいことのほかに、今年度明大明治中を第一志望とする受験生がいて、わたしにとって生生しい記憶が残っているから、でもあります。

受験当日、受験生(Hさん)と母堂は近くのホテルに宿泊して本番に臨みました

(ちなみに、明大明治中は最寄駅が京王線西調布駅だったり中央線武蔵境だったりと、江戸川区西葛西周辺からはやや遠いです。
交通機関の乱れや天候を考えて近場のホテルに泊まるというのは、ごく普通のことです)。

明明は2月2日の第1回入試と翌日の第2回入試があります。

第1回入試終了後、われわれの方から連絡して、当日出た問題をFAXで教室に送ってもらいました。

問題分析と今後の対応のためです。

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送られた問題を講師が全問解いて正答と分析結果を踏まえた助言をメールで奥様のスマホにお送りしました。また、電話でHさん本人にも連絡、不明点の確認をとっています。

受験当日まで受験生も親御様も講師も全力を尽くす、という中学受験の世界を垣間見ていただくために、そのときのメールを
抜粋(正答などは除外し、主に助言部分)して掲載しておきます。

(上述までの文脈だけだと、意味不明な箇所もありますが)。

以下すべて、2月2日、第一志望である明明初日当日のメールです(私から親御様へ)。

○○ 様

△△中学、□□中学 合格おめでとうございます。

東京受験の初日が合格で飾れて何よりです。

さて明明ですが、これは明日に備えた気構えが必要です。
本日、合格の報をいただけるとと信じておりますが、それまでは ”明日が勝負”  ぐらいの気構えでいらっしゃるとよいでしょう。

一休みされたあと、具体的には以下を参考になさって下さい。

算数は、時間配分が上手くいったかどうか、解くべき小問数に達したかどうか、
あるいは余計な問題まで手を出していなかったかどうか、問題用紙(持ち帰りが できていれば)を広げて
シュミレーションしてみてください。明日、本番だとしたらどう解き進めていく べきか今一度見直してみて下さい。
上手くいったのであれば明日もその調子、と思うだけで結構です。

国語も、もう一度落ち着いて解き直してみるとよいでしょう。

社会は、今回の問題の見直しと、依田から渡されている「歴史プリント」をざっ と復習してください。
理科は、「メモリーチェック」又は「冬期テキスト」にざっと目を通すようにし てください。

もちろん、このとおりに全部してくださいというわけではありません。
気力体力の許す範囲で結構です。

それでは、吉報をお待ちしております。

横田 英男

次は、算数の問題分析後、奥様宛のメールです。(もちろん、本人とも電話で話しています)。いろいろ細かいことが書いてありますが、問題ごとの、その子にとっての難度、時間内でどこを取るべきか、の指導の一環です。当然受験本番前に徹底して練習します。このときは当日までこうしたことをしてました。

○○様

(正答 略)

以下、全問題のポイントと難度です。

1(1)計算。必ず正解しましょう。
1(2)速さの比。全問題のなかで一番易しい。落とせない。
1(3)3角形の面積。(”平行線は比を移す”で、CDPの高さ12cm)
全問題で3番目に易しい。落とせない。

1(4)場合の数(”場合分け”例えば上2桁11,12,13,21の場合で調べる。そのとき に組み合わせの公式を利用できる。
例えば、上二桁が12,13,21の場合は、すべて4C2 * 2 = 12Tとなる)。やや難。 飛ばしてもよい。

2(1)売買算。全問題で2番目に易しい。落とせない。
2(2)複数個の売買算(””売り上げ合計、利益合計、原価合計”で考える)。
易しい。落とせない。

3.狂った時計(表に整理、速さの比を書いておく、1時間あたりの差を利用)。
(1)1時間あたりの速さを利用。易しい。落とせない。
(2)正しい時計と狂った時計Bの速さの比 24:25を利用。
典型的な問題だが、時間がかかるかも。時間があれば解く。
時間がなければ解かないでも合格できる。
(3)やや難。解けなくてもよい、というより、考えなくてよい。

4.水槽グラフ(時間の比=容積の比を利用)。本問では。水槽全体の容積を比の50、
高さ28cm までの部分が全体の 28cm/35cmつまり 4/5なり、比で40と先に求めて おくと一気に解きやすくなる。
(1)易しい。落とせない。
(2)標準。できたらとりたい。
(3)先の手順が利用できたら易しい。(2)より先に求まるぐらいである。

5.ニュートン算。

(1)易しい。落とせない。
(2)難。考えなくてよい。
(3)(2)が求まれば易しい。

以上です。

ぜひ、自己採点をしてみてください。
そして、解法のテクニックをもう一度おさらいしてみてください。

横田 英男

以下は、上記のメールに抜けがあったため、追加のメールです。

○○様

食塩水の問題が抜けていました。

1(5)標準。(しおの量に注目)

A中の塩量=500g*4=2000.
B中の塩量=400g*3=1200.
合計3200の塩があり、ABの塩量の和は一定。
したがって、移動後のA は、1600の塩量。などなど。。。。

つい最近、解いた問題とポイントはまったく同じです。
いままで学習したことが発揮されれば、あと数問以上とれたと思います。

とはいえ、入試本番とはこういうものでもあります。
合格できる実力はありますから、復習が終われば今日の結果は考えないで、
明日に向かって集中を高めていきましょう。

もちろん、よい結果が本日でることを祈念しております。

横田 英男

こうして引用していると、その日のことが甦ります。

さて、このブログでは、中学受験の算数について、その実態と明利学舎の指導を皆さんに知っていただくために綴っていきます。
ただし、その前置きとして受験算数というのが如何なる性格のものなのか、(中学受験の専門家以外の)一般の親御さま
にその感触だけでもお伝えできればそれにこしたことはない、と思いますので、甚だ迂遠、若しくは算数や数学に拒絶反応をお持ちの方には甚だ迷惑(笑)かもしれませんが、今回のように問題も織り交ぜることもあります。

タイトルにノート指導とありますが、それに触れられるのはあと何回かしたら、と予測されます。
できるだけはやいうちに、明利学舎の算数指導(の一端)をお伝えしたいと思っています。

前置きの前置きぐらいですが、今回はここまで、です。

以下、前記入試問題のこたえと解法(の一例)(大人向け。生徒さんへの指導そのものでありません)です。

こたえ:213231。

考え方:大事なのは、”場合分けしながら調べていく”。
たとえば、最左位が1の場合、さらに左から2番目の位で場合分けしながら調べると、

1)1 のとき、 6とおり(これには組み合わせの公式(普通、公立校だと高校で学習。中学受験生は小学生でも学習し、マスターします)が利用できます)。
2)2 のとき、12とおり(同様)。
3)3 のとき 12とおり(同様)。

ここまでで、30通り(6+12+12)。

次は、最左位が2の場合を調べると、左から2番目の位が1のとき、(組み合わせの公式を一部利用し)12とおりとなる。

したがって、21から始まる最大の数(はじめから数えて 30 + 12 で42番目)から2つ遡ればよい。

42番目:(21から始まる最大の数)213321。
41番目:213312。
40番目:213231。

よって、こたえは、前記のとおりになります。

その2へ。

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