中学受験の理科について 「子どもの理科離れ」が話題になって数十年たちました。 ただ単に児童・生徒の 「好き・嫌い」ということだけが理由ではありません。 その実態と原因の解明は、統計上のデータだけでなく、多方面からの観点によるアプローチによって、さらに進展することと思います。 もっとも、小学生の場合は、中学生・高校生と比較すると、理科離れの割合はまだ軽度といえるでしょう。
ところで、その間、世の中の「理系志向」が徐々に進み、今では就職に「有利」 であったり、理系職と文系職の年収の格差などがマスコミに取り上げられることも理由なのか、「理科好き」にさせたい保護者の方が増えているように思います。 ましてや、昔も今も、親が子どもにさせたい職業のランキングで、医師が上位を占めていることは常識ですね。
「理科好き」になるための秘訣は、次回以降にゆずるとして、中学受験の理科についてお話しします。 広辞苑によると、理科は、「自然界の事物および現象を学ぶ教科」 で、「自然科学の学問」 という意味でもあるということです。 中学受験の理科には生物・物理・化学・地学の分野があり、4つの分野からほぼ均等に出題されます。 ご存知の方も多いと思いますが、中学受験といえども大学受験の内容も含まれており、出題の難度は、年々アップしています。 お父様、お母様が、お子様の塾のテキストをのぞいてみると、扱うテーマは昔と同じであっても、複雑で高度な内容になっていることが、よくわかると思います。
お子様が 「理科が好き」 と言っていたのに、段々わからなくなったり、あまり好きでなくなることも、それほど珍しいことではありません。 それは、学習が進むと、前述のような分野により得意・不得意が出てきてしまうのが一つの原因と考えられます。 受験する中学によって、出題レベルがまちまちであるにも関わらず、同じレベルの問題を一斉授業でこなしていく、というスタイルでは対応することは難しいでしょう。
本来理科は、身近な教科です。自然の中にある様々な事物や事象を学ぶ学問です。子ども達には、小さい頃から野山で昆虫をつかまえたり、空を眺めたり、星を観察したり、楽しさいっぱいの経験を豊富にさせてあげたいですが、今は手軽にゲームができたり、物騒なこともあって、外遊びより、室内で過ごすことが多いのが現実です。 また、実際、子どもが外で遊べる環境は、なくなりつつあるといえます。
私は、「実験する」 経験を少しでも多く生徒達にさせたいと考えています。 「机に座ったら材料が揃えられていて、指示通りに行動する」 予定調和的な実験では、記憶に残りにくいと思います。 毎日の生活の中で親子の会話がはずみ、親子で知識を共有し、理科が好きになっていく一石三鳥の効果がある実験が理想です。 理科はスペシャルなものではありません。とても楽しいです。 理科に対するプラスイメージを高めていくことを心がけて毎日取り組んでおります。
国・私立コース小5の授業を担当している依田と申します。
どうぞ、よろしくお願いします。
次回は、小5の理科の授業でどのような工夫をしているかを具体的に書きたいと思います。
さて、トップの写真は、生徒が何をしているところと思いますか? 次回に説明いたします。
では、次回を楽しみにして下さい。
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